内容説明
少子高齢化による労働力不足や排外主義の台頭もあり、移民は日本の大きな課題となっている。本書は、感情論を排し、統計を用いた計量分析で移民を論じる。たとえば「日本に住む外国人の増加により犯罪が増える」と考える人は6割を超えるが、データはその印象を覆す。こうした実証的な観点から、経済、労働、社会保障、そして統合のあり方までを展望。移民受け入れのあり方を通して、日本社会の特質と今後を浮き彫りにする。
目次
序章 移住という現象を見る
第1章 日本における移民
第2章 移民の受け入れの経済的影響
第3章 移民受け入れの社会的影響
第4章 あるべき統合像の模索
第5章 移民受け入れの長期的影響
終章 移民問題から社会問題へ
著者等紹介
永吉希久子[ナガヨシキクコ]
東北大学大学院文学研究科准教授。1982年大阪府生まれ。大阪大学人間科学研究科博士後期課程修了後、追手門学院大学非常勤講師、ウメオ大学客員研究員などを経て現職。専攻は社会学(社会意識論、移民研究など)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
日本が直面する大きな課題の一つに移民がある。すでに欧米各国では社会問題になっているが、これまで日本では大々的に論じられてこなかった。しかし、近年は少子高齢社会の進展や産業界からの要請、排外主義の昂揚など多くの論点が浮上している。本書は、実証的な研究を下敷きにして、日本の移民をめぐる問題を包括的に論じる。さまざまな分野にまたがる移民問題の実態を描く。