内容説明
1945年3月、日本軍が仏領インドシナ北部の町で多数の捕虜を殺害した知られざる事件。戦後、その裁きを受けた将校たちの思索を手掛かりに、戦争の不条理に今あらためて向き合う歴史ノンフィクション。
目次
第1章 将兵―国家の意思で行われる戦争と個人の責任
第2章 作戦―利発な少年が職業軍人となり、戦犯容疑を受けるまで
第3章 運命―歓呼の声で出征し、再びは冷たき目で送られる
第4章 逃亡―敗戦の祖国で同胞に追われ、故郷を離れる
第5章 自決―部下を守ろうとした者、無実を訴えた者
第6章 弁護―薄給を覚悟して外地に渡った法律家
第7章 正義―戦犯救出に身を砕いた異色の弁護士
第8章 判決―精神力に頼った軍隊は、敗れても人に犠牲を強いた
著者等紹介
玉居子精宏[タマイコアキヒロ]
1976年神奈川県生まれ。ノンフィクションライター。埼玉県立川越高校、早稲田大学第一文学部卒業。2004年から戦争の時代をテーマに取材を開始。05年ベトナム・ホーチミン市に移住。07年に帰国後も取材・執筆活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
戦争の過酷さは“戦後”も続いていた。1945年3月、日本軍が仏領インドシナ北部の町で300人を超える捕虜を殺害したランソン事件。その6年後、戦犯裁判を経て、捕虜殺害という上層部の命令に従わざるを得なかった4人の将校が銃殺刑に処された。その一方、捕虜殺害の命令者が罪に問われることはなかった。命令を拒むという選択肢があり得ない日本軍にあって、罪を負うべきはいったい誰だったのか。無謀な作戦、敵味方を問わない人命の軽視、曖昧な責任の所在、個人と組織の間に生じる相克……。知られざる事件の顛末と、裁きを受けた将校たちの思索を手掛かりに日本人が避けられない問題に向き合う歴史ノンフィクション。梯久美子氏、推薦。