内容説明
第二次大戦後、朝鮮半島。頭脳と度胸で38度線を突破し、「集団脱出工作」を成功させたのは、名もなき“アウトサイダー”だった―。知られざるもう一人の杉原千畝、感動の実話!
目次
第1章 棄民(その日、故郷は「外国」になった;平穏だった八・一五 ほか)
第2章 異端の人、動く(対ソ連の最前線で終戦を迎える;捕虜収容所へ連行中に逃亡 ほか)
第3章 包囲網を突破せよ(終戦の年、八万人が南に;強制移住先での惨状 ほか)
第4章 苦難そして苦難(突然の移動禁止令;米ソ間の攻防 ほか)
第5章 引き揚げの神様(「堤がふたたび破れた」;「日本人の命を保証することができるのか!」 ほか)
著者等紹介
城内康伸[シロウチヤスノブ]
1962年、京都市生まれ。中日新聞社入社後、ソウル支局長、北京特派員などを歴任し、海外勤務は14年に及ぶ。論説委員を最後に2023年末に退社し、フリーに。著書に『昭和二十五年 最後の戦死者』(第20回小学館ノンフィクション大賞優秀賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
“引き揚げの神様”松村義士男の集団脱出工作が、いま甦る。驚愕の発掘実話。太平洋戦争の敗戦で朝鮮半島北部の邦人は難民に。飢餓や伝染病で斃れゆく老若男女の前に忽然と現れ、ソ連軍の監視をかいくぐり、母国へと導く男――彼はかつて国家から断罪されたアウトサイダーだった。時間も資金も情報もない中で、頭脳と度胸を駆使した決死の闘いが始まる。見返りを求めない「究極の利他」が胸を打つ実話。