インパール作戦従軍記―葦平「従軍手帖」全文翻刻

著者:火野 葦平【著】/渡辺 考/増田 周子【解説】
出版社:集英社

商品説明

内容説明

火野葦平は、兵士・報道班員として従軍し、戦地から二十数冊の手帖を持ち帰った。戦場は中国大陸・マレー半島・比島・ビルマ・インドに及ぶ。勝ち戦から敗北の撤退戦までが、つぶさに記録されたその膨大な直筆手帖から、本書では「インパール編」6冊をその図版も含め活字化。加えて、同行した画家・向井潤吉のリアルな戦場スケッチも掲載。「火野は人間を書こうとする。記録ではなく小説家の目である。しかし表現は適切に制御されている。検閲に際して、あわてて破り棄てるような愚は犯さなかったであろう。」と火野の従軍手帖の全貌を、かつて自らの目で取材した作家・浅田次郎をして言わしめた、魂の記録が今、甦る。



目次

第1章 日本本土を発つ
第2章 司令部跡を拠点に
第3章 第三三師団拠点のティディムへ
第4章 最前線・インパールへの思い
第5章 画伯・向井潤吉との冒険行
第6章 白骨街道撤退
第7章 菊兵団が奮戦する雲南前線へ
第8章 帰国
資料編―手帖巻末控



著者等紹介

火野葦平[ヒノアシヘイ]
1906(明治39)年〜1960(昭和35)年。昭和期の小説家。早稲田大学英文科中退。1937(昭和12)年、応召。出征前に書いた『糞尿譚』が翌年の第六回芥川賞を受賞。その後、陸軍報道部へ転属、軍部との連携活動を深めた。従軍記『麦と兵隊』は大きな評判をよび、『土と兵隊』、『花と兵隊』と合わせた「兵隊三部作」は三〇〇万部を超えるベストセラーに。太平洋戦争中も各戦線におもむき、従軍作家として活躍。戦後は、「戦犯作家」として戦争責任を厳しく追及され、1948(昭和23)年から1950(昭和25)年まで公職追放を受ける。1960年、日米新安保条約調印の五日後、1月24日、自宅書斎で自死。享年53

渡辺考[ワタナベコウ]
1966年、東京都生まれ。早稲田大学政経学部卒業。1990年NHK入局。制作局でおもにETV特集を担当。大型企画番組部でNHKスペシャル、戦後史プロジェクト「日本人は何をめざしてきたのか」などを手がける。現在は福岡放送局チーフディレクター

増田周子[マスダチカコ]
1968年、北九州市生まれ。1997年関西大学文学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。2008年4月より関西大学教授。博士(文学)。専門は、日本近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

『麦と兵隊』の火野葦平が残した20冊余の「従軍手帖」。その中の「インパール作戦編」6冊を完全活字化。同行した画家・向井潤吉の戦場スケッチも掲載、現役NHKディレクターが詳細に解説する立体構成。




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