内容説明
「幸福な暮らし」とは何だろう。昭和どころか平成すらも終わろうとしている今、戦後の占領期の、「開発すれば、大規模なイベントをすれば、遮二無二働けば豊かになる」という考え方が再び頭をもたげているようにも思われる。アメリカ博覧会、国土開発プロジェクト、公害などの歴史をひもとくことで、開発、発展、生産性という言葉が、日本において豊かさや幸福とどのように結びつけられてきたのか、その来歴を考え、現代への警笛を鳴らす。
目次
序章 「豊かさ」の夢
第2章 アメリカ的な豊かさと展示される事物―空間の地政学
第3章 国土開発、産業化と豊かさへの確信―空間の文化・政治・経済学
第4章 道路開発と豊かさへの幻想―国土空間のネットワーク化と物質化
第5章 性と生―家族計画と身体空間への介入
第6章 物質的豊かさと収奪される身体空間
第7章 港都四日市の輝ける未来と公害―イデオロギー装置としての風景
第8章 豊かさという幻想の虚構性(から目覚める)
終章 「昭和」を終わらせる力に抗して
著者等紹介
森正人[モリマサト]
1975年、香川県生まれ。2003年、関西学院大学大学院博士課程修了、博士(地理学)。三重大学助教授、准教授を経て、18年より同大学教授。専門は文化地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)