内容説明
「忍術を志す者は、毛頭も私欲のために忍ぶことなく、また無道の君主のために謀ることはしてはならない―」。今日では、奇術や卓越した身体能力で注目されることの多い忍者だが、根幹となる精神性がなければ見せ物と変わらなくなってしまう。忍術を「道」に高めるために必須な精神とはいったい何だったのか。『万川集海』ほか、貴重な忍術書を具体的に読み解き、誰も知らなかった忍者が忍者たる核心に迫る初めての書。
目次
第1章 「忍び」の定義(忍術の起源;「忍」の意味 ほか)
第2章 孫子の兵法と忍術(『孫子』のもつ重要性;日本における『孫子』の受容 ほか)
第3章 「正心」とは(「正心」という語;忍術書の「正心」 ほか)
第4章 忍びの立場と心得(主君と忍び;陽忍と陰忍 ほか)
著者等紹介
山田雄司[ヤマダユウジ]
1967年、静岡県生まれ。京都大学文学部史学科卒業。亀岡市史編さん室を経て、筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻(日本文化研究学際カリキュラム)修了。博士(学術)。現在、三重大学人文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)