内容説明
黒装束で忍者刀を携え人並み外れた力をもつ。我々が「忍者」といって想像する姿は、歴史上に存在した実際の「忍び」とはかけはなれたものである。特殊な服装で特殊な武器をもっていては、自ら正体を明かしてしまう。それではなぜ現在のイメージになったのか?中世軍記に描かれた姿や名将楠木正成、近世の石川五右衛門、飛加藤、装束や武具の誕生、忍術と妖術の関係、マンガや映画ほか、忍者の虚像を通史的に読み解く。
目次
第1部 軍記の中の忍び(『太平記』の忍び;忍びのさまざま)
第2部 近世忍者像の成立と変遷(石川五右衛門―豪胆な悪の魅力;飛加藤について―忍者ができるまで;忍者のさまざま)
第3部 忍者の表象(忍者装束の発生と展開について;手裏剣と忍者)
第4部 忍者像の深化(忍術と妖術;猿飛佐助と真田十勇士;変わりゆく忍者像)
著者等紹介
吉丸雄哉[ヨシマルカツヤ]
1973年、長崎県生まれ。三重大学人文学部教授。博士(文学)。専門は日本近世文学、忍者忍術学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
歌舞伎、小説、漫画、ゲーム……忍者は、さまざまな作品に登場しえがかれることで、そのイメージを縦横に変化させてきた。その軌跡をたどり、現代の忍者イメージの根源を探る。