内容説明
とどまることのない延命長寿化のなか、みずからや家族の死を「どのような形で迎えたらよいのか」という問いが、いま私たちを苦しめている。無葬無墓・散骨葬・寺院消滅・脱宗教―死を棚上げしたまま肥大化する社会現象に、解決への糸口は見つかるのだろうか。折口信夫『死者の書』と柳田国男『先祖の話』という、戦時下に著された二つの書を導きに、鎮魂・供養・往生・看取り等から、日本古来の信仰や死生観を見つめ直す。
目次
第1章 戦後と東北
第2章 英霊と鎮魂
第3章 供養と骨
第4章 折口と柳田
第5章 往生と看取り
第6章 死と生
著者等紹介
山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年生まれ。宗教学者。東北大学文学部印度哲学科卒業。同大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授、国際日本文化研究センター教授、同センター所長などを歴任。著書は『愛欲の精神史』(和辻哲郎文化賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
死を思え、死者を凝視めよ。日本古来の死生観を見つめ直す、著者入魂の書