内容説明
「わくわく」「からから」「ぞっ」―。日本では長い間、豊かな擬音語・擬態語が微妙な感覚を伝える言葉として機能してきた。そして、そのひとつひとつの言葉の用法は、時に幅を広げ、時に姿を変えてきた。いったいいつ、どんな意味でそのオノマトペが使われてきたのかを知れば、先人たちの抱いた感覚をつぶさに知ることができる。『万葉集』から夏目漱石の『こころ』まで、さまざまな用例をたどり言葉の深淵へといざなう新日本語論。
目次
オノマトペの意味変化―イントロダクション
いらいら
うか うっかり
からから がらがら
かん かあん がん があん
きりきり ぎりぎり
さくさく ざくざく さっくり ざっくり
ぞっ
どきどき
のたり のたのた のろのろ のろい
はたはた ばたばた ぱたぱた
ふわふわ
ほのぼの
むかつく むかむか
めろめろ
よよ
わくわく
著者等紹介
小野正弘[オノマサヒロ]
明治大学文学部教授。1958年岩手県一関市生まれ。東北大学大学院文学研究科国語学専攻所要単位取得済中途退学。専門は国語史(語彙・文字)。鶴見大学文学部教授を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
わくわく、どきどき、ふわふわ――。感覚を伝える擬音語・擬態語「オノマトペ」。その古典から現代に渡るまでの使用例を挙げながら、言葉の意味の変遷をたどり、曖昧な意味の根本にある共通点を解き明かしていく。