内容説明
『白雪姫』として語りつがれるあの話の最大のうそは、七人の小人だ。脇役たちが語る、グリム童話のもうひとつの顔。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞を受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞を受賞
広瀬弦[ヒロセゲン]
東京都生まれ。絵本・挿し絵などで個性豊かな作品を発表している。「かばのなんでもや」シリーズでサンケイ児童出版文化賞推薦、『空へつづく神話』で産経児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「だいたいだね、昔話なんてもんは、人が語りついでこそ、まともにつたわっていくもんだ。 本なんかにしちまったら、ろくなことになりゃしねえ。」
オーストリアのウィーンにあるシュテファン大聖堂前の広場で、仮装行列を見学していたわたしにこう話したのは、かつて「ブレーメンの音楽隊」のどろぼうだったと名乗る男、アンドレ・トーアでした。それから立て続けに、昔の軍隊の制服を着た青年と、いかにも童話から出てきたというようなかっこうの老婆がやってきて、それぞれ「白雪姫」と「靴屋の小人」の話をしていったのです……。
この本は、わたしが聞いた、その三つのふしぎな話を日本語になおしたものです。
物語の脇役、サブキャラたちが語る、あっとおどろくうちあけ話を3編収録した短編集第2弾。