朝日選書 権力にゆがむ専門知―専門家はどう統制されてきたのか

著者:新藤 宗幸【著】
出版社:朝日新聞出版

商品説明

内容説明

1980年代の中曽根政権時代に「私的諮問機関」が濫設された。法令に根拠をもたず要綱などで臨機応変に設置でき、政治権力にとっては使い勝手がよい。いまや「有識者会議」「審議会」という言葉にかわり、第二次安倍政権以降次々と設けられた。安保法制懇談会、教育再生実行会議、働き方改革実現会議、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議はその代表例である。政治・行政はなぜ「専門知」を取り込もうとするのか。期待するのは科学的助言か、政策を正当化するための世論動員か。占領期に遡り、GHQによる専門知の外部調達、官庁エコノミストの活躍、旧財閥企業による原子力利用の調査研究をはじめとする原子力政策、第二臨調での国鉄解体などから、介護保険、司法制度改革、学術会議任命拒否問題、新型コロナウイルス感染症対策といった最近の動向まで、特徴的なジャンルで考える。



目次

序章 学術会議任命拒否問題と専門知
1章 政権・官僚機構と専門知―敗戦後、専門知をどのように調達したのか
2章 囲い込まれる専門知―第二臨調・国鉄解体・自民一党優位の政治戦略
3章 原子力ムラ―「規制の虜」になったのはだれか
4章 新型コロナウイルス感染症対策―専門知は政治と対峙しているか
5章 介護保険制度に同調した専門知―理論的考察の底の浅さ
6章 司法制度改革と専門知―「国民に開かれた司法」の顛末
終章 政治と専門知の責任をいかに確立するか



著者等紹介

新藤宗幸[シンドウムネユキ]
1946年、神奈川県生まれ。千葉大学名誉教授。中央大学大学院法学研究科修士課程修了。専攻は行政学。東京市政調査会研究員、立教大学法学部教授、千葉大学法経学部教授、後藤・安田記念東京都市研究所理事長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



出版社内容情報

コロナ禍により、感染症対策をめぐる政治と専門家の関係がかつてないほど注目された。専門家(専門知)はいかなる思考と根拠のもとで政治に助言するのか。本書は、日本現代史を射程に、行政学の第一人者が考察する。1980年代の中曽根政権時代に「私的諮問機関」が濫設(らんせつ)された。法令に根拠をもたず要綱などで臨機応変に設置でき、政治権力にとっては使い勝手がよい。いまやそれは「有識者会議」「審議会」という言葉にかわり、第二次安倍政権以降、次々と設けられた。集団的自衛権を行使容認とする法体制を審議した安保法制懇談会をはじめ、教育再生実行会議、働き方改革実現会議、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議はその代表例である。政治・行政は、なぜ有識者(専門知)を取り込もうとするのか。期待するのは科学的助言か、政策を正当化するための世論動員か。政治と専門知のあり方について、占領期に遡り、GHQによる専門家の外部調達、吉田茂内閣で発足した経済安定本部、官庁エコノミストの活躍、旧財閥企業による原子力利用の調査研究をはじめとする原子力政策、池田勇人政権の国民所得倍増計画、財政学者・大内兵衛らによる社会保障制度審議会、「増税なき財政再建」を掲げた第二臨調での国鉄解体・分割民営化など「専門知の政治化」がパラレルに進行した1980年代から、介護保険、司法制度改革、学術会議会員任命拒否問題、新型コロナウイルス感染症対策といった最近の動向まで、特徴的なジャンルで考える。




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