内容説明
奈良・大阪に点在する大型前方後円墳のうち約80基が天皇などの陵墓に治定されている。陵墓は静謐と安寧がはかられ、その立ち入りは厳しく制限されてきた。だが近年、情報公開請求により整備調査時の状況が開示されたり、限定的ではあるが、研究者への立ち入り観察が許可される事例が増えている。古墳時代研究の第一人者で、陵墓公開を求める関連16学会へ許可された第1回の立ち入り観察から参加してきた著者が、そのときの模様や、古墳周辺の踏査で見えてきたことを詳しく紹介する。近世・近代の治定の過程、最新の研究成果を踏まえて、天皇陵古墳一つ一つの年代観、治定の正否を示す。
目次
序章 天皇陵古墳を歩くこと
第1章 山辺・磯城古墳群(奈良盆地東南部)
第2章 佐紀古墳群(奈良盆地北部)
第3章 佐保・春日ほか(奈良盆地北部)生駒・斑鳩ほか(奈良盆地北西部)
第4章 馬見古墳群(奈良盆地西部)葛城・吉野(奈良盆地南西部、奈良南部)
第5章 飛鳥ほか
第6章 百舌鳥古墳群・古市古墳群
著者等紹介
今尾文昭[イマオフミアキ]
1955年兵庫県尼崎市生まれ。78年同志社大学文学部文化学科文化史学専攻卒業後、奈良県立橿原考古学研究所へ入所、その後、同研究所附属博物館学芸課長、同研究所調査課長などを経て、2016年定年退職。現在、関西大学文学部非常勤講師。博士(文学)。専門は日本考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
【歴史地理/日本歴史】奈良・大阪に点在する大型前方後円墳はその大多数が天皇陵に治定、立ち入りが制限されてきた。近年、研究者への限定公開が進められている。第1回の公開から立ち合ってきた著者が主要な大型古墳の周囲を踏査。年代観を示す。
今尾文昭[イマオフミアキ]
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