内容説明
新広島市民球場、国際教養大学中嶋記念図書館などを設計した日本を代表する環境建築家である著者。50年以上こどもを育む施設や設備の設計にかかわり、学校や保育園など、こどもの成育環境の研究とデザインに心血を注いできた。路地裏や空き地があそび場だった戦後からスマートフォンが親や友達代わりになりつつある現代のこどもを取り巻く環境の激変。それらを俯瞰し、「勾配や床が身体性を育む」「やる気のある子が育つ遊環構造」「高層にこどもを住まわせる弊害」「こどもを元気にする安全な環境づくり」「騒音と保育園建設反対問題」など、建築と環境にまつわる知見やエピソードとユニークな視点でこどもの未来を考える。
目次
第1部 こどもと環境の変化(劣化するこどもの成育環境;こどもの成育環境、あそび環境の変化 ほか)
第2部 こどもと環境の構造(原風景としてのあそび環境;あそびがもたらすもの―5つの能力 ほか)
第3部 こどもと環境の展開(こどもと都市;こどもと公園 ほか)
第4部 こどもの体験と環境(こどものための思い出づくり;こどもを育むコミュニティづくり ほか)
第5部 こどもと環境の戦略(貧困とこどもの居場所;地球環境とこどもの成育環境 ほか)
著者等紹介
仙田満[センダミツル]
環境建築家、環境デザイン研究所会長、東京工業大学名誉教授。近年の代表作に新広島市民球場(日本建築家協会賞)、国際教養大学図書館棟(村野藤吾賞)などがある。1941年神奈川県横浜市生まれ。1964年東京工業大学理工学部建築学科卒業、菊竹清訓建築設計事務所入所。1968年環境デザイン研究所を創設。1982年「こどものあそび環境の構造の研究」で工学博士(東工大)。2001年〜03年日本建築学会会長。2004〜10年こども環境学会会長。2006年〜08年日本建築家協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
広島のマツダスタジアムを設計した日本を代表する建築家による、こどもをのびのびと育てる「環境」のつくり方。戦後の路地裏からスマホAI時代までこどもを取り巻く環境や建築の変遷など、教育関係者から親・祖父母、子どもにかかわる全ての人に読んでほしい一冊。