内容説明
昭和30年代は史上、もっともくらしが充実した時代だった。昭和になって普及したちゃぶ台を囲んで、一家団欒が満面開花する。戦争中のもんぺ着用、戦後の衣服払底を画期に、キモノから洋服への衣服革命が進化したのも昭和20年代〜30年代半ばである。明治以来の西洋医学が一般家庭に普及し、吸入器や注射器を常備するなど家庭看護がハイレベルで浸透したのもこの時代であった。著者が館長をつとめる「昭和のくらし博物館」では、17年に及ぶ企画展示で、くらしの変化とその要因を詳細に検証してきた。その成果をまとめ、戦争、敗戦から経済成長による奇跡の発展を遂げた昭和史の変化と画期を鮮やかに描き出す。
目次
自宅を博物館に
1部 くらしから見た昭和史(病気;食べる;着る;ひと;しごと)
2部 住まいから見た昭和史(戦前;戦後)
著者等紹介
小泉和子[コイズミカズコ]
1933年東京生まれ。登録文化財昭和のくらし博物館館長・重要文化財熊谷家住宅館長・家具道具室内史学会会長。工学博士。生活史研究と家具室内意匠史研究を行なっている。記録映画「昭和の家事」制作。編著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
「ALWAYS 三丁目の夕日」で誰もがイメージする昭和20年代後半?30年代、我々はくらしの何かを捨て何かを選んだ。だがその選択は正しかったのか。「昭和のくらし博物館」主宰の筆者が企画展の成果から、くらしから見た昭和の変動を描き出す。図版多数、なつかしの道具が蘇る。