内容説明
NATOの東方拡大によって、冷戦終焉後の楽観主義は急速にしぼみ、新たな分断線の構築は決定的なものとなった。その政治的な選択はいかになされたのか。外交史研究の第一人者が膨大な外交文書と当事者へのインタビュー記録を駆使して著した本書は、アメリカ・ロシア・欧州各国のリーダーたちがNATO拡大をめぐってせめぎあう一九九〇年代のドラマである。下巻では、中・東欧諸国のNATO加盟が進められることで、米ロ対立があらわになる九〇年代後半を扱う。現在の世界をも照らし出す一級の現代史。
目次
第二部 天候回復 一九九三‐九四年(承前)(隆盛と衰退)
第三部 氷結 一九九五‐九九年(とてつもなく重い責任;拡大のコスト;それは始まりに過ぎない;未来の輪郭を刻む)
新たな時代
著者等紹介
サロッティ,M.E.[サロッティ,M.E.] [Sarotte,Mary Elise]
ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院教授。外交史研究。とりわけ冷戦終結からポスト冷戦期に関する研究を続ける
岩間陽子[イワマヨウコ]
政策研究大学院大学教授。国際政治・欧州安全保障
細谷雄一[ホソヤユウイチ]
慶應義塾大学法学部教授。国際政治史・イギリス外交史
板橋拓己[イタバシタクミ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授。国際政治史・ヨーロッパ政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
NATO拡大によって、冷戦終焉後に高まった米ロ協調への期待は急速に失われ、新たな分断線が決定的なものとなった。その政治的な選択はいかになされたか。外交史研究の第一人者による本書は、アメリカ・ロシア・欧州各国のリーダーたちがポスト冷戦秩序の構築へ向けてせめぎあう一九九〇年代の壮絶な権力ドラマである。