内容説明
万葉集、日本書紀、古事記など文字資料の存在する最も古い時代である上代の日本語、さらにそれ以前の日本語の音はどういうものであったのか。日本語を含む東アジア諸言語の音韻論に通じる著者が、一般言語理論に立脚して、服部四郎のものとは異なる独自の上代語6母音体系説および関連する音韻現象の解釈を論じる。
目次
第1部 上代日本語の音韻(オ列甲乙の別;流音と動詞語幹末母音交替;母音調和;母音体系;動詞活用;母音脱落)
第2部 音韻史の方法(言語と言語史のための音素論と音韻論;生成アクセント論;音節構造の変遷;音声形として実現しない基底形―佐賀方言の動詞未完了連体接辞の例;音変化と元の体系の保持―満州語および日本語の音韻史から;生成音韻論による接近法―母音縮約を例に)
第3部 ことばの諸相(“書評”添田建治郎著『日本語アクセント史の諸問題』;万葉漫歩;擬音擬態語と言語の古層)
著者等紹介
早田輝洋[ハヤタテルヒロ]
1935年、東京生まれ。1959年、東京大学文学部言語学科卒業。1968年、東京大学人文科学研究科言語学修士課程修了。文学博士。ハーヴァード大学工学・応用物理学科研究助手兼同大学東方学科教育助手、日本放送協会総合放送文化研究所研究員、九州大学文学部教授、大東文化大学外国語学部教授を歴任。2000‐03年、日本言語学会会長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
万葉集、日本書紀、古事記など文字資料の存在する最も古い時代である上代の日本語、さらにそれ以前の日本語の音はどういうものであったのか。日本語を含む東アジア諸言語の音韻論に通じる著者が、一般言語学理論に立脚して、服部四郎のものとは異なる独自の上代語6母音体系説および関連する音韻現象の解釈を論じる。