内容説明
「慰安婦」問題をはじめ、国内外で歴史認識をめぐる分断が絶え間なく生じ続けるなか、歴史学はどのように現実にコミットしうるのだろうか―ナチズムや戦争責任などをめぐり日本と同様の問題を抱えてきたヨーロッパで、歴史認識の分断を越境するために積み重ねられてきた、博物館やテレビドラマ、歴史教科書などの公共史の試みを紹介し、その可能性を探る。
目次
歴史認識問題から公共史へ
第1部 タテの公共史(映像の中での公共史―「フランスの村」にみる占領期表象の現在;ドイツ現代史の記述と表象―「ジェネレーション・ウォー」から考える歴史認識の越境化の諸相;証言と歴史を書き記すこと―ショアーの表象をめぐって;ポーランド現代史における被害と加害―歴史認識の収斂・乖離と歴史政策;日本における博物館展示と戦争の痕跡)
第2部 ヨコの公共史(第一次世界大戦の博物館展示―ペロンヌ大戦歴史博物館(ソンム県)の事例
ヨーロッパ国境地域における戦争の記憶と博物館―アルザス・モーゼル記念館を例に
ドイツにおける対外文化政策としての歴史対話―一九七〇年代の国際教科書研究所をめぐって)
著者等紹介
剣持久木[ケンモチヒサキ]
1961年生。静岡県立大学国際関係学部教授。フランス現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
出版社内容情報
歴史学は現実にコミットしうるのか――ナチズムなどをめぐる歴史問題を抱えてきたヨーロッパで、国内外の歴史認識の分断を越境するために積み重ねられてきた博物館やテレビドラマなどを通じた公共史の試みを紹介し、その可能性を探る。