










それは、ある晴れた日曜日のこと。
ダチュモの家に
仲良しの
太郎さんと花子さんから一通の手紙が届きました。
わくわくしながら封を開くと、
なんと
太郎さんと花子さんの結婚式の招待状です。
「やった、ついに
太郎さんと花子さんが結婚するんだ!」
大切な2人の結婚式だから、
世界に1つだけの特別な贈り物がしたい・・・。
ダチュモはお祝いの贈り物をさがしに森へむかいました。

森へ向かう間、ダチュモの胸には
太郎さんと花子さんとの思い出が
いっぱいあふれてきました。
「
太郎さんと花子さんは、
色んなことを語り合った、大切なともだち。
太郎さんと花子さんなら、きっと幸せになる。
ぼくの、このお祝いの気持ちを、どうやって伝えよう。」
森のなかには、きれいな石や、鳥の羽、
おくり物に良さそうなものがたくさん落ちていました。
けれども、
太郎さんと花子さんへの
一生に一度の特別なプレゼントです。
なかなかぴったりなものが見つかりません。

森の奥に来たところで、
突然はげしい雨がふりはじめました。
ダチュモは、いそいで大きな木のうろに飛び込みます。
「これはしばらく止みそうにない。しばらく休んでいこう。」
うろの中は、コケがふかふかとしていて
寝心地もよさそうです。
ダチュモは体をくるんとまるめると、
歩きつかれていたからか、すぐに眠ってしまいました。
眠りながらダチュモがくすっと笑います。
太郎さんと花子さんとの
懐かしい夢を見ているのでしょうか。

空がうすむらさき色にすきとおる朝。
昨日の雨がうそのように、すんだ光が森を輝かせます。
木々は朝もやとつゆでしっとりと、
あくびをするように静かにゆれてています。
ダチュモは木のうろから起き上がり、
あたりを見回します。
すると、少しむこうの木のそばに、
うつくしい野ばらが咲いているのを見つけました。

「やぁ、なんてかわいらしい姿だろう。」
透きとおるような白い花びら。匂いも、あまく、
みずみずしい。それはまるで恋に落ちるように、
ダチュモはそっと野ばらに手をのばしました。
「たしか、野ばらの花言葉は”素朴な愛”。
心から愛し合う
太郎さんと花子さんに
ぴったりの言葉だな・・・
そうだ、お祝いの花言葉をあつめて花束を贈ろう!
リボンにはメッセージを。世界で1つだけの花束になるぞ。」
ダチュモは野ばらをやさしく包み、
スキップしながら家へ帰りました。

家についたダチュモは、野ばらを花瓶にいれて
さっそく本棚から花言葉の辞典をとりだしました。
辞典によると、
太郎さんと花子さんに伝えたい
花言葉をもつ花は、
世界中に咲いているようです。
「これは、大冒険になりそうだ。」
ダチュモは贈りたい花のページと世界地図に印を
つけ、リュックサックにつめました。
「さあ、
太郎さんと花子さんに贈る、
お祝いの言葉を探しに行こう!」

まずは、花菖蒲を探しに日本へ。
花菖蒲の花言葉は「うれしい便り」
しっとりとした濃い紫色の花菖蒲が
一面に広がります。
太郎さんと花子さんからの招待状をもらったとき、
ぼくはうれしくて飛びあがりました。
幸せのおすそ分けをありがとう。
太郎さんが初めて
花子さんにあった時、
どんな印象でしたか?

次は、ダリアのふるさとメキシコへ。
ダリアの花言葉は「感謝」
青空に咲く花火のようなダリアは
メキシコの青空に咲く小さな太陽のようです。
太郎さんと花子さん、いつもあたたかい心で、僕に話しかけてくれたね。
ありがとうは100万回声にしても、まだまだ言いたい。
太郎さん、
花子さんにしてもらって、
いちばん嬉しかったことってなんですか?

大西洋を飛び越えてイギリスへ。
アイビーの花言葉は「誠実」
つやのある深緑色のアイビーが、
赤レンガに力強くしげっています。
ぼくにとって花婿の
太郎さんは、
誠実に
花子さんを愛する、尊敬できる人です。
きっと、花子さんの未来をたくさんの幸せで
満たしてくれるでしょう。
花子さん、
太郎さんの魅力的なところって
どんなところですか?

タイのジャスミンは、心もおどる華やかさでした。
ジャスミンの花言葉は「可憐」
まろやかな白いジャスミンの花は、
花子さんの花嫁すがたを思わせる美しさ。
花嫁の
花子さんは、心温かで、笑顔が花咲く
愛らしい人です。
太郎さんがどんな困難にあったとしても、
きっと、乗り越える力を与えてくれるでしょう。
太郎さん、
花子さんと結婚しようと心に決めた理由はなんですか?

家の窓辺で、野ばらが風に踊りました。
野ばらの花言葉は「素朴な愛」。
太郎さんと花子さんがはじめて
職場で会ってから
2年。
いろんなことを乗り越えてきた2人がよりそう姿は
何よりも美しく、周りのぼくたちまで幸せな気持ちに
させます。
太郎さん、どんな時に
花子さんを「好きだなぁ」と感じますか?

















