戦国武将、虚像と実像 (角川新書)
日本人の武将像はいかに変化してきたのか時代ごとの価値観が浮き彫りに 妄説、打破 信長は戦前まで人気がなかった。秀吉は人たらしでなく邪悪だった 時代ごとに人物像は変化していた。最新研究による実像に加え、虚像の変遷から日本人の歴史認識の特徴まで解析した画期的論考。 画期的に見える人物像も、100年前の焼き直しにすぎないものが多い。 織田信長は革命児、豊臣秀吉は人たらしで徳川家康は狸親父。明智光秀は常識人で、斎藤道三は革新者、石田三成は君側の奸で、真田信繁は名軍師。 このようなイメージは、わずか数十年前にできたものが実は多い。 彼らの虚像と実像を通して、江戸、明治、大正、昭和と、時代ごとの価値観まで浮き彫りにする 光秀=「温厚な常識人」は一冊のベストセラーがつくった。 油売りでも革新者でもなかった道三 信長は将軍も天皇も尊重していた 秀吉の評価ポイントは勤王と海外進出 江戸時代にも三成肯定論はあった 幸村は「軍師」ではなく「現場指揮官」だった 司馬遼太郎の家康論は徳富蘇峰の受け売り 歴史小説・ドラマの源流は“蘇峰史観”にあり 「野心家・光秀」はなぜ定着しな