中学レベルからはじめる やさしくわかる統計学のための数学

注目を集めている統計学の入門書は、大きく統計による分析処理を行うためのものと、 統計による分析結果を利用するためのものに分かれるように思います。 たとえば、新薬の臨床実験の結果を論文にまとめたり、アンケート調査の結果を分析する ときには、前者の「統計による分析処理を行う」ための知識が参考になるでしょう。 一方、新薬が患者に効くかどうか調べるために論文を調べたり、アンケート調査の分析結果を 解釈する場合には、「統計による分析結果を利用する」ための知識が必要です。この場合、 数式を計算したり、統計ソフトを操作したりすることはほとんどありませんが、分析結果を 正しく解釈するためには、統計用語をある程度理解しておく必要があります。 どちらのアプローチでも見過ごされがちなのは、統計は数学であるということです。 数学アレルギーの読者に配慮して「数式はなるべく使わない」入門書もありますが、統計処理の もとになっている考え方は、やはり数式で示したほうが深く納得できるのです。 そこで本書では、統計のもとになっている数学としての意味を、わかりやすく解説しました。 中学数学の知識で理解できるように、必要に応