誤解だらけの子育て (扶桑社新書)
「いい子にしてえらいね」とほめる、宿題は終わるまでつきそう、スマホやゲームは親が管理する… これらはすべて、脳を育てるためには逆効果です ベストセラー『高学歴親という病』『「発達障害」と間違われる子どもたち』の著者である小児脳科学者が、子育てのよくある誤解を紐解き、子どもの“生きる力”を伸ばすための45の正しい方法を解説します。 “「はじめに」より” 私が小児科医になって、はや35 年以上が経ってしまいました。いろいろな親子に出会ってきましたが、私が本当にいつも残念だと思うのは、親御さんが子どもを思ってした行動が、結果として子どもにまったく伝わってない、どころかむしろ害悪になっていることがあまりにも多いことです。 現代の子育ての状況を見ていると、情報過多の中で理想とされる子ども像を描き、それに向かって必死に育て上げようとするけれど、思ったように子どもが「動いてくれなくて」こころ折れ、結果、無駄に怒ったり悲しんだりしている親御さんが多いと感じます。とても閉塞した利己的な育児環境だと思います。 子どもはもっとつらいです。逃げ場のない家庭環境で苦しんだ挙げ句にさまざまな心身症状が表れま