消費者と日本経済の歴史-高度成長から社会運動、推し活ブームまで (中公新書 2815)

買い物は社会を変えたのか 応援消費やカスハラなど、消費者をめぐるニュースが増えている。本書は、消費革命をもたらした一九六〇年代から、安定成長期やバブル、そして長期経済停滞までを消費者の視点で描く。生産性向上運動、ダイエー・松下戦争、堤清二とセゾングループのビジョン、セブン‐イレブンの衝撃、お客様相談室の誕生などを通し、日本経済の歩みとともに変貌していく消費者と社会を描き出す。 まえがき 序 章 利益、権利、責任、そしてジェンダー 画期としての一九六〇年代/本書の観点 第1章 消費者主権の実現に向けて―一九六〇年代~七〇年代初頭 1 高度経済成長と消費革命 経済成長のメカニズム/戦後日本社会の編成原理/消費革命という用語/変化にともなう不安と問題 2 消費者主権という理念 経済同友会の修正資本主義論/生産性向上運動とは何か/東西冷戦下の消費者主権/「消費者は王様である」/家政学者の実感を超えて 3 日本消費者協会とかしこい消費者 消費者団体の発足/日本消費者協会の商品テストと花森安治の眼差し/日本の消費者団体の特徴/かしこい消費者の育成/買物上手を教育で生み出す?/かしこい消費者