文庫 自分の「異常性」に気づかない人たち: 病識と否認の心理 (草思社文庫 に 3-2)
強すぎる被害妄想、執拗な他者攻撃、異様なハイテンション、 他人をふりまわすサイコパス…… それは許容できる異常性なのか、治療介入すべき異常性なのか 精神科医である著者が診察室で出会った、さまざまな「自分の異常性」に気づかない人たちを取り上げ、 その心の病理と対処法を明らかにする。 診察でのエピソードを通じて、医師の苦悩や精神医療の問題点を浮き彫りにする。 (目次より) はじめに 正常か異常かの境界線 第1章 強すぎる被害妄想 ・郷里からの不安な知らせ ・カレーライスの嫌がらせ ・変わり果てた母と実家 ・自己防衛と否認 ・治療経過 ・もうひとつの病魔 第2章 自分の異常性に気づく機能「病識」とは何か ・「自分の異常性」への気づき、「病識」 ・「病識」の系譜学 ・現代精神医学は「病識」を軽視している ・芥川龍之介の統合失調症への疾病意識 ・妄想と現実「二重」の世界 第3章 「不安に取りつかれた人」の病的な心理 ・キャリア官僚が犯した”深刻な?凡ミス ・凡ミスが動機の自殺未遂 ・救急病棟での問答 ・本人が望まない精神科入院へ ・うつ病「三大妄想」と蝕まれた病識 ・健康を偽装する「匿病」