腰痛を理解する
腰痛とは、疾患ではなく
症状です。腰痛の中には、その疼痛の発生機序がよく分からない、いわゆる
非特異的腰痛と言われるものが多く見られます。
それに対して我々理学療法士がどのように
評価をし、特に
徒手的な治療をどのように行うべきなのかについて掘り下げて考えていきたいと思います。
病態解釈に必要なピースを揃える
病態解釈を進めていくには様々な要素があります。
問診も大切ですし、
解剖の知識も必要です。
ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの病態も合わせて理解しておく必要があります。
●スライドでの解説
画像診断は我々に様々なことを教えてくれますが、
あくまでも画像です。患者さんが訴えている
症状と実際に確認できる
理学所見、これらからしっかりと病態を探っていき、それに見合った治療を行い、そして結果が出ればその方法や病態推論は間違っていなかったということになるのです。
腰痛の種類とタイプに応じた評価と治療実技
この動画では、
評価の仕方とそれに必要な
腰部の解剖について説明し、触診が大切だということ、また、椎間関節は回旋していて、それに伴って
椎間孔周辺で神経が絞扼される可能性があるということについて詳しく解説します。

そして様々なタイプの腰痛に対する
評価と治療の実際についてご覧いただけます。
●実技の様子
ここで紹介した内容を先生方のこれからの臨床に生かしていただければと思います。
ME309-1 腰痛とは?(腰痛の要因と腰部の解剖) (44分)
腰痛の要因と腰部の解剖について説明し、慢性腰痛症例の疼痛発生部位などにつて解説しており、特に
椎間関節と腰痛との関連について詳しく説明しています。
・腰痛とは?
・椎間板の変性・椎間板性疼痛とは?
・椎間関節包のReceptor
・椎間関節のmeniscoid
・慢性腰痛症例の疼痛発生部位
ME309-2 筋・筋膜性腰痛と仙腸関節性疼痛(腰痛) (63分)
まず腰痛の種類とタイプについて説明し、ここでは
筋・筋膜性腰痛と仙腸関節性疼痛(腰痛)を取り上げ、それぞれの腰痛の概要を解説し、
評価・治療の実技を紹介しています。
■腰痛の種類とタイプ■筋・筋膜性腰痛 ◎筋・筋膜性腰痛について
・圧痛評価とOne Point Indication
・体幹疼痛誘発動作による罹患筋の推定
・多裂筋の解剖
・腸肋筋と腰方形筋の作用
・腰方形筋・腸肋筋由来と思われる疼痛の特徴
◎評価・治療実技
・疼痛誘発動作による評価(屈曲伸展・側屈・回旋・Kempテスト)
・PLF(腰椎後弯可動性)テスト
・腸肋筋の触診・治療
・腰方形筋の触診・治療
■仙腸関節性疼痛(腰痛) ◎仙腸関節性疼痛について
・仙腸関節性疼痛の見極め
・仙腸関節の運動
・仙腸関節性疼痛の要因
◎評価・治療実技
・後仙腸靭帯の評価・治療(Thigh thrust test)
・骨間仙腸靭帯の評価・治療(Patrick test)
ME309-3 神経根性腰痛・椎間関節性腰痛と症例供覧 (90分)
ここでは
神経根性腰痛・椎間関節性腰痛についての概要を説明し、
評価・治療の実技を紹介しています。最後に実際の携わったトップレベル競馬騎手の腰痛症例を供覧します。
■神経根性腰痛・椎間関節性腰痛 ◎神経根性腰痛・椎間関節性腰痛について
・多裂筋
・椎体回旋に伴う椎間関節の離開
・椎体回旋による椎間関節へ圧縮応力
・腰椎椎間関節の応力解析
・椎体回旋に伴い上位椎体後面と下位上関節突起が近接
・椎間孔横断靭帯
・脊髄神経後枝内側枝の走行と支配
・腰痛症例の椎間関節はどの程度回旋しているか?
・腰仙椎移行部の椎間孔外狭窄
・腸腰靭の解剖
・多裂筋起始部の治療
・椎間関節運動と椎間関節回旋操作
◎評価・治療実技
・多裂筋の触診・治療
・椎間関節の触診・治療
・腸腰靭帯の治療操作
■症例供覧(トップレベル競馬騎手)~腰痛症例の評価と治療の実際~ ・問診・理学所見
・運動療法の適応となる腰痛の鑑別
・医師の診断と仮説
・私の評価(理学療法診断)
・私の考えた理学療法(治療)
■まとめ2023.3