脳損傷対象者へのADL介入では、単純な反復練習がよくみられますが、これだけでは、変化のある日常生活の中で十分に対応することは出来ません。
セラピストにとって重要なことは、対象者の環境や課題などの背景を分析し、個々に合ったアプローチをすることです。それは解剖学・運動学・神経科学等の医学モデルに基づく介入でなければなりません。
また、適切な運動を起こすためには、感覚 ・ 知覚 - 認知の要素も見据え、運動系との相互作用を図る必要があります。
このDVDでは、障害像や感覚 - 知覚系の解釈、活動分析に基づいたアプローチの考え方とその実際について解説します。実技解説では、患者の能動性を引き出すための運動誘導のポイントからはじまり、医学的背景に基づいたROM治療、ADL介入をご紹介します。
臨床において、環境や課題等を分析した介入は、今最も重要なアプローチといえます。
是非このDVDで学び、患者個々のセラピーを追及していただければ幸いです。
■イントロダクション
■障害像の理解
◎脳損傷による障害像
◎陥りやすい上肢・手の障害像
◎対象者のアライメント例
◎上肢・手の機能的目標
◎上肢機能アプローチの考え方
■活動分析アプローチとHow - to - touch
◎活動分析アプローチとは
◎介入の原則
◎How - to - touch
◎セラピストと対象者間の相互作用
◎運動の誘導の背景
◎能動性を引き出す誘導(実技)
■解剖学的分析アプローチ
◎肩甲帯 〜 肩関節について
◎体幹の構造について
◎僧帽筋と広背筋について
◎上肢治療の原則(1)
・変位した筋アライメントの修正
◎上肢治療の原則(2)
・関節のアライメントの修正
・背臥位における肩甲帯〜肩関節の動かし方(実技)
◎上肢治療の原則(3)
・Postural - Toneの再構築
・姿勢の対称性
・最適な坐位を創る
・Sitting - component
・坐位における肩甲帯の動かし方(実技)
■感覚 - 知覚系の解釈
◎知覚とは
◎触対象知覚の臨床的背景
◎道具との同化
■手の機能
◎手の操作と機能
◎手内筋の選択的で力強い訓練
◎手の可動性を引き出す(実技)
◎上肢治療の原則(4)
・Perception段階付のアプローチ
・一般的な治療用具
・Activityの段階付け(実技)
◎上肢治療の原則(5)
・道具と手の一体化
・生活介入OTプロセス
■道具について
◎例:包丁操作
◎道具を扱うということ
◎スプーン操作の例
◎例:箸操作
◎例:書字
◎例:クレパス
◎例:はさみ操作
◎スプーンにおける自立アプローチ(実技)
■まとめ