バレーボールのポジションのなかでも、特に育成が難しいといわれるセッター。必要とされるスキルが多岐に渡るうえ、判断力や対応力まで要求されるため、指導者としても教えることが多くなってしまいます。
今回はそうしたポイントをピックアップし、草野健次氏にセッターの「初期指導」について紹介してもらいました。自然体バレー塾ならではの体の使い方に関する解説はもちろん、今作では戦術面に踏み込んだ指導も展開していきます。
構えからステップまで、自然体バレー塾ならではの切り口でセッターの「基礎」をつくっていきます。ここでも体に無理をさせず、選手が理解しやすいアプローチは健在。タイミングがずれない足の使い方、筋力に頼らないボールの飛ばし方など、いいセッターになるためのスキルを構築します。
■イントロダクション
■攻撃の名前を覚える
■構え
■指の使い方
■足の使い方
■腕の使い方
■足+腕+ウサギパス
■ゴリラステップ
■ゴリラステップ+パス
■速筋パス
■バックトス
898-2 セッターを軸にしたフォーメーションづくり (70分)
実戦のなかでセッターがどのように動けばいいかを解説していきます。また、セッターだけでなくフォーメーションのなかで各選手がどのように動けばいいかも合わせて紹介します。後衛・前衛からのセットアップで、それぞれ留意するポイントを丁寧に追っていきます。
■イントロダクション
■3本連続トス
■後衛からトスアップ(3‐1‐2)
■後衛からトスアップ(3‐3)
■前衛からトスアップ
■6人の動き
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2015.10
インタビュー
草野流「セッター育成」Q&A
Q1 自然体バレー塾ならではのセッター育成とは?
無理やりボールを飛ばす練習はしません。音楽で言えば、音符とかを読めて音の位置を練習してそしてメロディー練習に入ります。ボールが飛ばない選手に無理やり飛ばす練習は、音符も読めず、音の位置もわからない人にいきなりギターを演奏させるのと同じです。音は出せても音楽になリません。バレーボールのパスも無理やり飛ばせなくとも肉体の発達とともにボールは飛ぶようになります。大事なのは「どのように飛ばせるか」なのです。
Q2 「いいセッター」と「悪いセッター」の違いととは?
レシーブを頑張り、自在にボールを操れるセッターが「いいセッター」
ただ上げるだけのセッターは普通のセッターで
レシーブをしないセッターが「悪いセッター」
Q3 小・中学生のうちに身につけておきたいスキルとは?
「ボールへの力の伝達感覚スキル」
腕力に頼るのでなく、身体の内部から生まれる「内力(ないりき)」をうまく使えるスキルこそ神経系統の発達が著しいゴールデンエイジには重要かつ必要不可欠なことです。
Q4 作中でもあったフォーメーション(3−3、3−1−2)についてあらためて教えて下さい
どちらも「四車線レシーブ」を基本としています。ブロックに参加しない4名でレシーブをするフォーメーションで、各自の進む方向を、高速道路の車線みたいに、交錯しないようにあらかじめ決めています。基本的考えは「誰でもわかりやすく」シンプルな動きです。背が低くてもブロックに跳びます。ブロックは高さよりもタイミングという発想です。キーマンはフェイント処理の選手です。中間位置をとらせて強打もフェイントも・・・・という欲張りなことをやるチームが多いですが、実はここがミスの起点になっているのです。詳細はDVDをご覧ください。
Q5 指導者としてセッター育成をするコツや意識したいことを教えて下さい。
音楽の指導と同じです。
音符の読めない選手は大成できません。
音の位置のわからない人は、音は出せても音楽の演奏できません。
Q6 どんな選手がセッターに向いていますか? 全員にセッターをさせるべきでしょうか?
手首が柔かいとか、頭がいいとか、レシーブがいいとか、そんな簡単なものではありません。選手の未来の素質の見極めを簡単にしないことです。セッターというよりも、バレーボール選手に必要なスキルを全員に指導することです。その中の一つがパスでありトスであるというだけです。その中で自然とそれぞれの得意なスキルが全体の中で差が出てきて、自然と「あの子がセッター」というふうに選手の中でも承認されていくものです。
Q7 最後にこのDVDのオススメポイントを教えて下さい!
難しいことを優しく、わかりやすく解説してあるのが最大のポイントです。
これは自然体の一貫した指導理念です。