【北林 健治(きたばやし けんじ)監督プロフィール】
平成10年から指導していた宮崎県・小林工業高校(現・小林秀峰高校)で、平成23年度のインターハイ優勝をはじめ、全国大会で準優勝4回と輝かしい成績を残す。その後小林工業を離れてからは、ナショナルチームのコーチを務めるなど、日本ハンドボール界のレベルアップに尽力している。
≪つながりのあるディフェンス練習≫
身体接触やステップなどの基本技術からマークの受け渡し、パスカット、対人練習とディフェンスに必要な様々な要素を指導。練習のポイントはもちろん、選手への声のかけ方や落とし込み方までよくわかります。
また、それぞれの練習を関連付けながら紹介しているので、“なぜこの練習が必要なのか”“試合でどう効果を発揮するのか”しっかり理解しながら取り組ませることができるでしょう。
≪試合を想定したシステムを構築≫
6:0ディフェンスをベースに展開し、さらに相手チームの特徴を消すために5:1ディフェンス、3:2:1ディフェンスと状況によってフォーメーションを変化させていくことが狙いで、試合でしっかり使えるディフェンスシステムの構築を目指します。
北林監督は【バックプレーヤーへの厳しいチェック】【ディフェンスの連携】【スペースをすばやく埋める動き】を大切にしていて、どのディフェンスシステムにも共通して必要なこの3つの要素を強化することには最適な内容になっています。ステップ練習も試合のどこで使えるか、
状況をしっかりイメージさせながら取り組むことが大切
受け渡しの練習では、ただ受け渡すだけではなく、
リスクマネジメントまで行うことで効果を発揮する
3対2でパスカットの練習を行う。
ディフェンス2人にそれぞれの役割を理解させながら習得していく
対人練習では1対1の駆け引きや、
センターでの2対2、3対3の実戦的なデェンスの考え方を紹介
■身体接触トレーニング
身体接触に対する恐怖心を取り除き、同時にボディーバランスを維持しプレーすることへの基本作り
■ボールに対する反応練習
ディフェンスをする際に相手の体の動きに惑わされることなく、ボールの動きを読み反応できるよう意識付けをする練習。敏捷性やキャッチ力の養成も狙っている
■ディフェンスの基本ステップ
前や後ろに動くよりも横や斜め方向に動くことの多いディフェンスの基本的なステップ
■6m−9mピストン練習
6mから9mの空間をいかに守るか、基本的なステップやボールへの詰め方、視線の置き方、ポストとの関係など実戦に活用できるようにしっかりとイメージを持って行う
■受け渡しディフェンス
ディフェンスを単なる1対1の繰り返しと考えるのではなく、1人に対して2人3人で囲むようにして守ることへの意識付けやその際の位置取り、ステップ、チェンジのタイミング、ポストの置き方などを確認する
■パスカット
ボールに対する反応練習をベースに、パスコースの読み、密着しながらボールを守りにいく習慣付け、フットワーク、ルーズボールへの寄せなどの練習につなげていく
■対人ディフェンス
1対1の間合いを取りディフェンスの立場から考え、5つの間合いをトレーニングすることでいろいろなタイプのオフェンスに対応できるようにする。そして2対2、3対3では相手オフェンスを囲むことをイメージ、さらにポストプレーヤーに対してはディフェンスを割らせないイメージで守る、声を大きくコミュニケーションがより重要になる
■指示ディフェンス
ディフェンスの見えないところからオフェンスを動かすことにより、全体を見ながら視野を広げて守ることにつなげていく、またパラレルやクロスの読み、フォーロー&カバーの意識を作っていく
■総合練習
4対5の実戦形式で行う、今まで行ってきたことをまとめた総合的なディフェンス練習。セットディフェンス、速攻の戻りにおいて常に一人多い状況の中、いかにボールの方向を読んで守るかがポイントになる
2004.4
※指導・解説・協力者等の所属は発売時点のものです。