練習メニューを構成する上で、ポイントとなるのが「基本」と「基礎」のどちらを重視するか?にあります。
ここで言う
「基本」とは、各種目の技術を向上させるためのドリルなどを指し、
「基礎」とは、筋力や体力、リズム感、表現力などを指します。
「基本」と「基礎」をバランスよく鍛えることが競技力向上につながるのは当然ですが、
中学校現場の現状を踏まえると、その両方を十分に鍛えることは困難です。
そんな現状を打開するために、加藤先生はこんな指導方法を実践しています。
それは指導の目標を「選手の競技力向上」ではなく「個々の目標を達成するための身体づくり」に設定し、
生徒たちの将来を見据えた指導法です。
多気中学校では「基本」を習得するドリルなどではなく、
筋力・体力・リズム感といった基本を支える「基礎」を重視したトレーニングやマット運動、
ダンスなどに多くの時間を費やしています。
この「基礎」を重視した練習の組み立てで、選手たちは、
自らが見たものや聞いたこと、イメージした事を、すぐに表現できる身体を習得しています。
しっかりとした「基礎」が身につけば、「基本」も効率よく習得できていく。
「基本」と「基礎」を同時に実施できない、
中学校現場ならではの発想から生まれた練習方法とその考え方を収録した本作品は、
中学校指導者必見の1枚です!
◆加藤 邦佳(かとう くによし)◆ 1977年三重県出身。日本体育大学を卒業後、三重県中学校教員として採用。
2010年に現在の多気中学校へ赴任し、2012年千葉全中四種競技で第6位に入賞させたのをきっかけに、
毎年様々な種目で全中優勝者や入賞者を輩出させる強豪校へと導く。
現在(2019年)8年連続全中入賞記録は、1980年代埼玉・常盤中学校に次ぐ歴代2位の記録。また三重県国体強化コーチ、三重県中学校強化委員長も兼務し、
地元で開催される2020年三重全中、2021年三重国体に向けて、
強化の中心として三重県全体を盛り上げている。
イントロダクション
マット運動&ダンス
・マット運動の重要性
・ブリッジ入れ替え
・後転倒立
・ネックスプリング
・ダンス
股関節の使い方I
・骨盤ひねり
・寝転がりからの起き上がり
・両脚ジャンプ
・U字溝 両脚ジャンプ
・ピストル スクワット
股関節の使い方II
・腸腰筋群ウォーク
・ケモノジャンプ
・オーバーヘッドスクワット
・ホッピング
・ひねりキック
肩甲骨の使い方
・肩甲骨ストレッチ
・台腕立て伏せ
・シャフト直上上げ
・シャフト肩抜き
・プレート回し
・反動懸垂
乗り込み動作
・ワニ歩行
・壁登り
・三点倒立
・二人一組 両脚倒立
・倒立片手乗り込み
・木のポーズ
・木のポーズ〜キック
・木のポーズ〜移動(前進)
82分(2019.9)