商品説明 |
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チグリス、ユーフラテス河の葦原中国 祇園縁起、蘇民将来説話に秘められた出雲神族の記憶とは? 歴史及言語より見たる 日本の民族 戸上駒之助=著 音田一路=解説 A5 判 並製 ソフトカバー 6,380円(本体5,800円+税10%) 『天孫人種六千年史の研究』と並ぶ、日本民族シュメール〜メソポタミア渡来説の稀少資料を完全復刻。著者の戸上駒之助は、森鴎外と親交のあった医者で、明治34 年に小倉市民病院の院長として赴任、医業の傍ら海外のオリエント史文献を広く渉猟し、『契丹古伝』を媒介に日本上代史の再構築を試みたのが本書である。 葦原中国とは岸辺に葦が生い茂るチグリス、ユーフラテス河間の大平原であり、根の国はアデン河上流のKutu、神代史上の比婆山はハムリン山であるとし、少名彦とサルゴン大王の出生説話を比較し、少名彦の乗る天乃羅摩船(アメノカガミノフネ)は古代メソポタミアのグーファ船であると説き、さらに『旧約聖書』創世記第二章の「川の名はギホンといい、クシの全地をめぐるもの」という記述から、『簠簋内伝』の祇園縁起に注目し、蘇民将来説話にはギホン川、すなわち今日のケルカ河畔のSusa に君臨したスサノオ率いるクス族が中央アジアの九相国(タクラマカン地方)を本拠にホータン(=コタン)地方を征服し、ソミ州の王(蘇民将来)を封じたるも「海漠変象」によりさらに東方の朝鮮、日本へと向かった歴史的記憶が反映されていると説くなど、他の起源論異説にはないユニークかつ複眼的な視点が提示される。 |