●記譜モードにキーエディターを搭載
記譜モードでは、ピアノロール、ベロシティ、コントローラーレーンが改良され、音楽制作ソフトウェア「Cubase」の動作に近づきました。記譜画面の下ゾーンに専用のキーエディターがピアノロールで表示され、記譜に合わせ自動的に同期されるため、モックアップ(試作曲)やリハーサル用のトラックを、より速く、より簡単に作成できます。
●スマートなMIDI データインポート
音楽制作ソフトウェアからMIDI ファイルをインポートする際、各楽器へのトラックの自動割り当てや、奏法の変更処理・フィルター除外、複数の楽器用トラックの個別譜表への展開などが行え、大規模なオーケストラテンプレートの取り込みの際、作業時間を短縮することができます。また、取り込み時に選択した内容を記憶し、次回以降のインポートへ利用することも可能です。
●ポリフォニックなMIDI トランスクリプション
Dorico 4 では、ほかの音楽制作ソフトウェアからインポートする際も、MIDI キーボードからリアルタイムで音楽を録音する際にも、自動的に別々の声部に分離し、より明瞭な書き起こしができるようになりました。メロディー、ベースライン、中間部の要素が分離して楽譜化されるため、録音を終えた時点ですぐに、完成形に近い楽譜を得ることができます。
●挿入モードの改良
挿入モードがさらに進化し、音符を挿入した際に、挿入部分より手前の要素を後ろに送っても、あらかじめフロー上で指定した任意の位置以降で楽譜の変更を停止することができます。挿入モードの適用範囲は、現在の声部のみ、現在の楽器でのすべての声部、フロー上のすべての楽器に変更可能です。また、すべての楽器に要素を追加する際に、次の小節に要素を送るか、現在の小節を引き延ばすかを選択できるので、カデンツァや自由なリズムセクションを、より簡単に作成することができます。
●メロディやリズムの変形
一般的なフレーズ変形技法の転回・倒置・反転などがスムーズに行えます。プラグインやアドオンではなくソフトウェア本体に実装されているため、音符自体だけでなく、スラー・強弱・奏法などの記号も含めて変形させることが可能です。音楽を音階から別の音階に変換したり、複雑な音高のマッピングも、ポップオーバーからわずかなキーボード入力で行えます。
●ピアノ鍵盤、フレットボード、ドラムパッドを画面上に表示
記譜モードの下ゾーンには、属性パネルやキーエディター、ミキサーに加え、ピアノ・ギター・ドラムの3 種類のオンスクリーン楽器入力パネルを新搭載しました。Microsoft Surface のようなタッチスクリーンを搭載したWindows デバイスでは、タッチ入力にも対応します。ピアノ鍵盤はクリックやタップで五線譜を入力し、ギターではタブ譜を画面上の指板から弦とフレットを触って入力ができます。また、ドラムパッドからすべての打楽器を見ながら叩いて入力するなど、楽譜作成がより自由で直感的になります。
●再生モードとミキサーを刷新
再生モードは、キーエディターが下ゾーンから開けるようになり、トラックオーバービューもシンプルになりました。左側には新しいトラックインスペクターがあり、ルーティング、チャンネル設定などにすばやくアクセスできます。また、ミキサーはデザイン・使いやすさを抜本的に見直し、レスポンスも改善しています。基本的なコントロールを下ゾーンに表示するか、ミキサーを別ウィンドウで表示してチャンネルEQ やインサートエフェクトなどをコントロールするか、どちらかを選択できます。