大黒茶碗とは
楽長次郎作の茶碗から千利休が七種を選んだもの(長次郎七種[ちょうじろうしちしゅ])の一つ
本歌は利休所持(重要文化財)で楽家初代 長次郎の代表作品。
銘は「大黒」とあり、大侘びで気品が高く典型的な利休形(宗易形)の茶碗とされています。
作行は高台脇から穏やかな丸みを持たせて立ち上がり、口部はわずかに内に抱え込ませている。
全体にやや厚手に削られ、とくに目立った箆跡も残さず手ひねりで、柔らかさと同時に静かなつくりと巴高台が見事です。
伝来は、利休-少庵-宗旦-後藤少斎-江岑-表千家-三井浄貞-鴻池家。
長次郎七種とは
赤楽(検校(けんぎょう)・早船(はやふね)・木守(きまもり)・臨済・黒楽(大黒(おおぐろ)・東陽坊・鉢開(はちひらき))
楽家の初代長次郎が千利休の創意を受けて造った茶碗で黒楽の釉・けずりで形を整えた!!
熱を伝えにくい土の美・お湯が冷めにくい性質と色彩的にも緑の写り具合が大変よく、まさにお茶のために作られた茶碗。
<五山の口造りで幽玄の世界を表現>しています。
利休の命により、初代長次郎が作った理想の茶碗であり、二代目常慶が豊臣秀吉より楽の字の印を賜わる。楽家の脇窯の一つに金沢の大樋焼(飴楽)があります。現在多くの陶芸家による写し物の茶碗がある。
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![]() | 作者印のある高台は見どころの要です。土味は土の色合い。硬軟を知り陶工の手腕をあらためます。井戸茶碗をはじめ高麗茶碗や唐津に多い竹節高台や三ヶ月高台や割高台がある。 |