安田南 / Some Feeling

media: CD
label: BRIDGE INC.
release: 1996.09.15

70年代FM東京の名番組、片岡義男とDJを務めていた「気まぐれ飛行船」での大人の会話を覚えている人も多いでしょう。ジャンル不詳ながらとにかくかっこいいお姐さん、という存在でした。そんな彼女が残したジャズ・ボーカル・アルバム。

日本の音楽史的には矢野顕子「Japanese Girl」、吉田美奈子「フラッパー」、荒井由実「ミスリム」などと並ぶ名盤として知られています。音楽とは、上手さではなく、つまるところアイデンティティーであることを再認識させられ、さらに型に収まらないスケールの大きさというか時代の空気を反映した繊細さのようなものがイメージされる真におしゃれなアルバムなのです。

解説 : 松永良平
写真 : 中平卓馬
オリジナルリリース : フラスコ(1977年作品)

01. サム・フィーリング
02. 旅は道づれ
03. NO SO BAD
04. 壁のうた
05. いってしまったあんた
06. 舟歌
07. 舟のうた
08. 不満な女
09. OH MY LIDIA
10. 朝の遊園地
安田南:
ジャズ歌手。北海道札幌市生まれ。俳優座養成所中退。
1964年頃から米軍キャンプで歌い始め、ジョージ川口とビッグ4、鈴木勲4等を経てフリーに。ジャズの枠に囚われない奔放・個性的な歌唱スタイルで、1970年代に熱狂的な人気を集める。なかでも、1977年に発表したLP『Some Feeling』は、矢野顕子『Japanese Girl』吉田美奈子『フラッパー』荒井由実『ミスリム』などと並び、日本の女性ボーカル史上に残る名盤と言われる。歌手活動以外でも、黒テントを中心とした舞台出演・ラジオのDJ・エッセイの執筆などにマルチな才能を発揮した。著書に『みなみの30歳宣言』がある。
1971年、第三回中津川フォークジャンボリーのメインステージの安田南のライヴは、演奏中に暴徒にステージを占拠されてぶち壊しとなり、フォークジャンボリーはその後、開催されなかった。
片岡義男とともにFM東京系の深夜番組「気まぐれ飛行船」のパーソナリティをつとめていた。
近況は不明だが、2004年7月アルバム『Some Feeling』が27年ぶりにCDで復刻された。
また、西岡恭蔵(元ザ・ディランII)の名曲「プカプカ」(みなみの不演不唱)のモデルとしても知られる。