内容情報
記憶にある限り 母にはいつも”彼女”がいた
「女」であること、「自分」を生きること
これは私の母の物語。
古いしきたりの残る農村に生まれた母は、伝統的なものから外れた女性だった。
母が女の人を好きだということに気がついたのは、私が7歳の頃。
そして今「おばあちゃんは男なの?女なの?」という七歳になった姪っこの問いに説明できない自分がいた。
映画『日常對話』の監督が、母親を中心とする家族の物語を文字で編んだ、もうひとつのセルフ・ドキュメンタリー。
小学校すら卒業できなかった不遇の子供時代。そして、著者が誰にも明かせなかった、父親から受けていたある虐待の記憶は、いつしかかたちを変え、著者と母親の間の埋められない深い溝となる。そんな母親と向き合い、関係を修復するために作られた入魂の作品。