障害の当事者、保護者の声を聴いて理解し、インクルーシブ保育・教育の実践に向けて学びを深めよう
本書では、障害をもっている当事者たちの声をたくさん紹介しています。それは、障害についての知識だけでは「私たちと違う人」「助けてあげる人」という気持ちを生み出しかねないからです。同じ人間として対等に生きるためには、相手のことをよく知ることが必要でしょう。保育士や幼稚園教諭を目指す皆さんには、そんな気持ちを大切にしてほしいと強く願ってのことです。
それとともに、保育者はやわらかでしなやかな感性と、どんな子どもにも対応できるやわかな実践力が必要でしょう。ピアノでも、絵本でも、手遊びでも、相手に合わせて行うことができなければ、現場では役に立たないでしょう。皆さんのしなやかな感性と表現力を使って、目の前にいる子どもや利用者たちが「どうしてこんなことをするの?」「どうしたらもっと楽しく過ごせるの?」と考えるのが、このテキストのねらいでもあります。
そのために全国の保育者養成校の先生方に執筆していただくとともに、現場の保育士や幼稚園教諭、介護福祉士、障害の当事者や家族の方など、さまざまな方の声を取り入れています。本書を踏み台にして皆さんが素敵な保育者になれるよう、ともに学んでいきましょう。
(本書はじめにを要約)