内容情報
認知症の家族をもつ方に希望の書
「認知症の老齢夫婦が自宅で暮らすのは無理」といわれながらも、生きがいの畑仕事で市長賞に輝く大根を生産した父、悪態をつきながらも懸命に夫の「世話」を焼く母、なんとか、ふたり暮らしは継続しています。両親を支える息子=著者が、二人のこころの声を代弁して1冊にまとめました。笑いあり、「!!!」あり、なによりもここには、認知症とともに生きる人の本音があります。
免許返納の後の会話……
母「あれ、そうかい。免許をけえしたんかい」
子「そうっさあ。日本中で85歳になるとみんな免許をけえす決まりになったんだい」
母「そうなんかい。みんなそうしてるんなら、しゃあないねえ。だけど、免許をけえしたって、運転するんはかまわねんだろう?」
「…………」