内容情報
パトグラフィーは「病跡学」と呼ばれ、歴史的に傑出した人物を精神医学の観点から系統的に研究をしようとするものである。
東京大学でドイツ文学を修めた後、精神科医となった著者は、
内田百〓、ドストエフスキー、ゴッホ、そしてヘルマン・ヘッセらの足跡と作品をたどり、臨床における精神異常の実態を理解するうえで、この病跡学的アプローチを試みた。
本書は、これまで「日本病跡学会雑誌」などに発表してきた論文やエッセーをまとめたもの。
なお、著者は2021年に出版した『ヘルマン・ヘッセの精神史』で日本病跡学会賞(2022年)を受賞している。