内容情報
いまから130年前、ドイツ帝国のひとりの政治家が失脚しました。その政治家の名は、「オットー・フォン・ビスマルク」。ビスマルクは、「鉄血宰相」の異名をとった天才政治家です。プロイセン王国の首相・外相を務め、ドイツに統一国家をもたらし、ヨーロッパの外交を巧みに操って勢力均衡の安全保障体制を構築しました。しかし、ヴィルヘルム2世が即位すると、ビスマルクは辞任に追い込まれます。結果、ヨーロッパの均衡は崩れ、24年後には史上初の世界大戦が勃発してしまいます。本書ではイラストと臨場感あふれる解説で、ヨーロッパ近現代史を学ぶうえでとても重要な「ビスマルク体制期」とその崩壊の過程を描きます。
目次
第1章 ビスマルク登場
第1幕 シェーンハウゼンの暴れん坊
第2幕 「天下統一は、鉄と血によって」
第3幕 “四面楚歌”の突破口
第4幕 “一石四鳥”の離れ業
第5幕 「親友」の囁き
第6幕 砲声に赴け!
第7幕 底知れぬ遠謀深慮
第2章 ビスマルクの独擅場
第1幕 新たなる国際秩序にひそむ敵意
第2幕 “絶妙な”情報漏洩
第3幕 すべてはビスマルクの掌の上に
第4幕 マリオネットの負け惜しみ
第5幕 栄光と屈辱のヴェルサイユ
第6幕 パリ=コミューンの誕生
第3章 ビスマルクの内政
第1幕 帝国の“2つの顔”
第2幕 ビスマルクvs南独諸邦
第3幕 社会主義者を叩くべし!
第4幕 元祖“アメとムチ”政策
第4章 ビスマルク外交
第1幕 フランスの孤立
第2幕 “誠実なる仲介人”の躓き
第3幕 思いがけぬ復活
第4幕 ビスマルク体制の完成
第5幕 老いた水先案内人
最終章 ビスマルク失脚後
第1幕 ビスマルク体制の崩壊
第2幕 ビスマルク亡き後の野望
第3幕 際限なき建艦競争
第4幕 忍び寄る災い
第5幕 悪夢の対独包囲網
第6幕 信頼関係の綻びの末に
第7幕 蝕まれる帝国
最終幕 世界大戦への導火線