陰陽道の神々/斎藤英喜

出版社名:法蔵館
著者名:斎藤英喜
シリーズ名:法蔵館文庫
発行年月:2024年10月
キーワード:オンミョウドウ ノ カミガミ、サイトウ,ヒデキ
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内容情報
泰山府君、牛頭天王、金神、八王子、大将軍、盤古大王、土公神・・・・・・。冥界や疫病、あるいは暦や方位などに関わる神々は、陰陽道の信仰にもとづいて祀られてきた。日本人の日常生活の中でなじみのある、これらの神々を祀っていたのは「陰陽師」であった。明治以降の近代社会のなかで封印され忘れられてきた陰陽道の神々。神話の神々とは違う、もう一つの「日本」の神々とは。

【目次より】
はじめに──もうひとつの「日本」の神々を求めて──
序 章 陰陽道と安倍晴明の基礎知識
第一章 追われる鬼、使役される神──疫鬼と式神──
1 鬼を追う陰陽師/2「式神」という神/〈コラム1〉なぜ鬼退治をする「リンゴ太郎」はいないのか/〈コラム2〉人を食らう鬼/〈コラム3〉「神働術」とグノーシス
第二章 冥府と現世を支配する神
1 冥府神としての泰山府君/2 変貌していく泰山府君
第三章 牛頭天王、来臨す
1 牛頭天王を求めて/2 中世神話としての「祇園牛頭天王縁起」/3 牛頭天王、陰陽道の神へ/〈コラム1〉本居宣長、祇園祭を観る/〈コラム2〉いまも京都に棲息する牛頭天王/〈コラム3〉平田篤胤の牛頭天王研究
第四章 暦と方位の神話世界──『??内伝』の神々──
1 『??内伝』という謎/2 暦世界の根源神へ/〈コラム1〉『??抄』と安倍晴明伝承/〈コラム2〉「神道」と「陰陽道」との結合とは/〈コラム3〉金神=スサノヲ説をめぐって/〈コラム4〉世界の崩壊から始まる──いざなぎ流の「大土公祭文」
第五章 いざなぎ流の神々──呪詛神と式王子をめぐって──
1 いざなぎ流の神々と陰陽道/2 「呪詛神」の系譜から/3 式王子の世界
終 章 「陰陽道」の神々のその後
断章1 いざなぎ流への〈旅〉
その1 神さまたちの引越し/その2 中尾計佐清さんのこと/その3 花をいさみて、寄りござれ/その4 物部村の人々
断章2 安倍晴明ブームの深層へ
陰陽師・ミレニアム/安倍晴明の深層、いざなぎ流の現場/二一世紀の安倍晴明──ブームの深層に何があるのか──/バビロニアの安倍晴明
補論 牛頭天王の変貌と「いざなぎ流」
いざなぎ流祭文と土御門系祭文の違い/『??内伝』の牛頭天王神話/「産の穢れ」と『??抄』との接点/送却儀礼と牛頭天王信仰/「式王子」と牛頭天王信仰
付論 折口信夫の「陰陽道」研究・再考
参考文献・原典一覧/初出一覧
あとがき
ニューヨークの陰陽師──増補版あとがきにかえて──
二〇二四年の陰陽道――文庫版あとがきにかえて――
収録図版一覧