内容情報
私たち、認知症にかかわる専門職は、認知症の人の心を知り、その想いを聴くことができているでしょうか。
認知症の人と日々向き合う精神科医が、診察場面でのやりとりをふり返り、本人の心情・心理をていねいにひもときながら、症状ばかりに目を向けるのではなく、本人の苦悩や可能性を感じて、その想いを聴くこと、「語り出し」を支えることの大切さを伝えます。認知症の人にとっての「話をしてもよい相手」になるためのヒントが得られる一冊です。
いま、メディアで注目されている西香川病院の「認知症ピアサポート」の取り組みも詳しく紹介しています。
【目次】
Part1 認知症の人の心を知る
1 「支援」の前に本人の状況を理解する
2 認知症の人は何に苦しんでいるのか
3 「認知症の人には病識がない」という誤解
4 認知症の人の心を知るための3つの視点
Part2 認知症の人の想いを聴く
1 ともに前を向いて歩むパートナーになるために
2 はじめて出会うときの心構えとかかわり方
3 認知症の人の「語り出し」を引き出し、支える
4 認知症のピアサポート
Part3 家族や周囲の専門職へのはたらきかけ
1 認知症の人の家族へのかかわり
2 周囲の専門職へのはたらきかけ
【著者紹介】
大塚智丈(おおつか ともたけ)
三豊・観音寺市医師会 三豊市立西香川病院院長。
「認知症の人の役に立つ医療」をめざし、認知症の人の体験や心情・心理を深く理解した、本人中心のていねいな診察・診断を行う。また、認知症の本人を相談員として雇用し、診断後のピアサポートにも力を入れている。精神科医、日本精神神経学会指導医、精神保健指定医。