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音楽〓肉体の形而上化
前近代における音楽の重要性を明らかにし、近代が抑圧した魔術的世界を呼び覚ます。
《宗教に対する忌避の感情、近代の「信念」は、同時に何かしらの聖なるものとしか呼びようのない事象への畏怖に対する、忘却という形をとった妄執を、その背景に持っています。
現実というカオスと、これをコスモスと認識することなしには成立しない人間の「知覚」、そしてこの認識〓知覚を基礎とするカッコつきの「現実」。
カオスとしての現実と、通常僕らが現実と呼んでいるもの、という二つの領域を繋ぎ止めているのが、宗教であり、音楽であると言えるのかもしれません。》
(本文より)