幻覚剤と精神医学の最前線/デヴィッド・ナット

出版社名:草思社
著者名:デヴィッド・ナット、鈴木ファストアーベント理恵
発行年月:2024年10月
キーワード:ゲンカクザイ ト セイシン イガク ノ サイゼンセン、ナット,デヴィッド、スズキ,ファストアーベント リエ
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内容情報
うつ病やPTSD、依存症の治療に、
LSDやMDMAなどの幻覚剤が
非常に高い効果を発揮するというエビデンスが続々!
第一人者にして世界的権威の著者が、研究の最前線を報告する。

もうすぐ、うつ病は幻覚剤で治す時代に

精神医学と神経科学の世界に今、革命の大波が押し寄せようとしている。
うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者に対し、LSDやMDMA、マジックマッシュルームなどの幻覚剤投与を伴う治療を1〜2回行うことで、大きな改善が見られるというエビデンスが蓄積しつつあるのだ。さらには、強迫性障害、摂食障害や依存症、慢性疼痛に対しても、非常に強力な治療法になり得ると目されている。
うつ病やPTSDなどいくつかの疾患の幻覚剤療法について、米国などでは臨床試験や承認申請が進んでおり、近いうちに実用化が見込まれている。それだけではない。すでにオーストラリアでは、MDMAのPTSDへの処方と、サイロシビン(マジックマッシュルームの有効成分)のうつ病への処方が認められている。

 幻覚剤には、とかく異論反論、流言飛語がつきまとう。幻覚剤の危険性・有害性は著しく誇張され、喧伝されてきた。神経精神薬理学の世界的権威として知られる著者デヴィッド・ナット教授が最新の研究成果を伝える本書は、幻覚剤に対する読者の考えを一変させ、うつ病などの疾患の治療に大きな希望を与えるだろう。

〔内容より〕
●幻覚剤は脳の可塑性を高め「再配線」させることで病を癒す
●幻覚剤は繰り返される固着した思考から脳を解放する
●オーストラリアではすでにMDMAなどを使った治療が合法化
●幻覚剤の有害性は著しく誇張されている。不合理な規制の裏側
●しかし幻覚剤を使った自己治療は危険。決して勧められない

目次
第1章 幻覚剤研究のルネサンス
第2章 幻覚剤とは何か――古典的幻覚剤:LSD、マジックマッシュルーム、アヤワスカ
第3章 非古典的幻覚剤入門――MDMA、ケタミン、イボガイン
第4章 幻覚体験中の脳内では何が起きているのか
第5章 うつ病に対する幻覚剤療法の研究
第6章 幻覚剤療法の歴史と実践
第7章 幻覚剤を用いた依存症の治療
第8章 MDMAを用いる療法――PTSDとトラウマの治療、人間関係の修復
第9章 幻覚剤による神秘体験とその効用
第10章 古典的幻覚剤をうつ病以外に用いる――不安症、疼痛、摂食障害、ADHD、強迫性障害
第11章 マイクロドージングの効果を探る
第12章 MDMAの危険性は大幅に誇張されている
第13章 幻覚剤の依存性と危険性の真実
おわりに 幻覚剤の未来に向けた重要な問い