内容情報
既に260号を超える長い歴史の「RM LIBRARY」から、過去の傑作巻を2〜3冊分まとめて復刻する「RM Re-Library(アールエム リ・ライブラリー)」。
シリーズ8巻目は、国鉄気動車の中でも特殊用途の少数派として存在感を発揮していた「郵便・荷物気動車」を取り上げました。RMライブラリーの第20・21巻として刊行したもので、さらにカラーグラフ4ページを新規制作しています。
後年には多数の一般車のうちの少数派となりますが、実は国鉄初の気動車は三等荷物合造車であるキハニ5000形でした。2軸の小型車体のうちの極一部が荷物室になっていたもので、この1両で閑散ローカル線の旅客列車が賄える…そんな発想が窺えます。
気動車第2弾となったキハニ36450形は一気に大型車になりましたがやはり単行運転が前提の合造車でした。
本格的な普及は戦後、昭和30年代以降。
それまでの客車列車(当然荷物車や郵便車を連結していた)が気動車化される際に必要とされたものです。
当初は試作に終わった電気式気動車の液体式への改造時に、合わせて郵便・荷物車化する方針が採られました。
その後は液体式気動車の改造や新製車も登場し、北海道から九州までその個性的なスタイルで活躍。国鉄末期の郵便・荷物輸送廃止まで使命を果たしました。
本書はこれらの郵便・荷物気動車を、母体となった系列ごとに大分類の上で形式ごとに解説。
豊富な形式写真、形式図、履歴表、諸元表など資料性も万全です。
特に改造車のグループはその常として個体差が生じますが、そのあたりも極力一目瞭然となる作りとなっています。要所に収録された、郵便輸送・荷物輸送としてのインサイド写真は希少価値が高く、今は用途自体が消滅したこれらの車両への理解を深めてくれましょう。
一覧性が高く保存版として価値ある一冊となっています。