内容情報
「失われた30年」は、まじめに働けばなんとなるという希望が日本社会から失われていった30年でもある。不安定な働き方が広がった日本の産業・職場の現状を見つめながら、解決方向をともに考える。
【本書の目的】
本書は、非正規雇用問題を解消し、国際労働機関であるILOが提唱する「ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)」の実現に向けた取り組みに役立つことを目的に編まれました。非正規雇用問題の解決に日々取り組まれている労働組合や関係者の皆さんのほか、学生の皆さんにも読んでもらい、非正規雇用問題の実態や労働組合の取り組みがひろく知られることを願っています。
本書のメインは、非正規雇用者がじつに様ざまな産業、領域に存在することと、そこでどのような問題が生じているか、が取りまとめられた第II部です。
それに先立つ第I部では、(1)非正規雇用がどのような特徴・問題点をもつ雇用であるのかを確認した上で、(2)非正規雇用拡大の背景を整理します。(3)その上で、問題の克服の方向を考えていきます。もとより、限られたスペースですから、詳細は、適宜紹介する文献などを参考にしてください。第I部を飛ばして第II部の関心ある箇所から読んでいただいても構いません。