内容情報
現在、以前にも増して、社会の流れは、公正性、透明性を求めています。それは税務の世界でも同じで、より適正な税務処理が求められるようになって来ています。
オーナー社長の皆様と会社のことを考えてみますと、会社の様々な決定事項について当事者間でかなり自由に決定しやすい状態にあるといえます。
そのため、税務的な面においても、第三者間では特に問題にならないことでも、オーナー社長と会社間の取引等については問題視される場合があります。とはいえ、オーナー会社には、各々特有な事情もあるでしょうし、一方、税制度が複雑で面倒なものも事実です。
しかし、税金も会社が存続したり、個人が生活したりする上での一つのコストと考えれば、税務について社長の皆様も、基本的なことは理解されていた方が良いでしょう。また、税金が何らかの経営上の意思決定をする場合に、大きな影響を与えることも当然あるはずです。
オーナー社長と会社の間にはいくつかの税務的な課題、そして、喫緊のテーマとしての事業承継があります。本書では、社長と会社を取り巻く税務のうち、それらを8つの章に分けてQ&A方式で解説しました。
ご相談の機会の多い、社長と会社の間の不動産の賃貸借や譲渡をはじめ、役員賞与や退職金、事業承継対策等を中心として執筆してあります。事業承継対策では、従来からの対策の他、平成30年から導入された納税猶予制度(特例措置)についても解説しています。この特例措置は事業承継を考える上で大きなメニューになりつつあります。
ルールを守って、将来を見据えた、ムリ、ムダのない賢い税金対策、事業承継対策を考えて頂くことを願っております。