内容情報
家業継承。一見、恵まれた環境にあるように見えて、内情は軋轢や対立、衝突といった、さまざまな困難が待ち構えているものです。家業を継ぐため家に戻っても、先代である親とうまくいかず、お家騒動に発展してしまう、また結局、家を出てしまうといった例が多いこともその難しさを物語っています。
著者は親が開いた歯科医院を継いだ、家業継承者のひとり。大学で最先端の歯科治療を学び、勤務医としての武者修行を終え、意気揚々と故郷に帰ってきます。ところが待っていたものは赤字経営を続ける頑固な父親と、その父を慕う古参の女性スタッフたち。さらに故郷では過疎化が進行中。最先端の治療を望む患者どころか、新規の患者さえも来ない……。
そんな状況をいかに乗り越え、経営的に発展させることまでできたのか。著者みずからつかみとった智恵の数々をまとめたものが『継承学』です。
著者自身、思い悩む中で数々のファミリービジネスに関する本を手に取ったといいます。ところがその多くは「家業を譲る側」である親目線で書かれたもの。「家業を継ぐ側」である子がどう考え、どう行動すればいいかを説いたものはほぼありませんでした。
そのことも著者が本書を書く理由のひとつとなりました。
家業を継ぐ前に、ぜひとも手にしてほしい一冊です。