内容情報
講道館創設者・嘉納治五郎を近代日本の稀有なる思想家として捉え、その思想の根源を膨大な歴史的な資料から緻密に探究した畢生の大著。
本書は柔道家にして筑波大学名誉教授であった著者の遺稿集である。
(嘉納師範は)日本の教育界にあり、多大の功績、業績を重ね、他方、講道館柔道を創設し、日本人ばかりでなく世界の柔道愛好者において、柔道による人間形成をはかり、世界平和の為に誠心誠意の努力がなされた七十九歳の人生であった。本書は、日本を代表する教育学者、嘉納師範の思想を探究し、同時に人生の軌跡を探訪し、二十一世記を生きる青少年の指針として役立つことを念願している。(本文「序章」より)