内容情報
自然巣を採取して蜜を採る方法は江戸時代に確立されていたが、明治から現在の巣枠養蜂が始まり、欧州より導入された西洋種が在来種を凌駕した。在来種は寒さや病気、スズメバチに強く、何よりもその土地に根ざした蜂ということで、養蜂家にとって一度は飼ってみたい蜂だが、生態的特性が西洋種と異なるために慣行法では飼育が難しかった。日本在来種みつばちの会は不可能とされてきた新式(巣枠式)に成功、古式(自然巣)も技術を整理し、在来種の管理養蜂に道を開いた。実際家の視点で飼育法を中心に販売の工夫まで詳述。
●日本ミツバチとは
明治期に西洋ミツバチが導入される前の養蜂在来種。最高級の垂れ蜜、滋養に富む搾り蜜など、独特の風味を持つ貴重品だった。
●古式から新式まで飼い方いろいろ
まずは蜂群捕獲や自然巣採取から。野趣あふれる丸太飼いや重箱式、管理養蜂が可能な巣枠式。西洋ミツバチ用巣箱も活用できる。
●病害虫に強く、耐寒性に優れる
アメリカふそ病、チョーク病にかからず、スズメバチを熱殺、ダニの増殖も防ぐ。寒さにも強いので飼いやすい。交配養蜂にも有望。
●本当は逃げない、さわがない
「居つきが悪い」のは飼い方に問題があるから。適正管理で巣の環境を整えてやればどんどん増勢・増群する。
西洋ミツバチには致命的なふそ病、チョーク病、ダニ、スズメバチや寒さに強い。種蜂捕獲、江戸時代から続く自然巣管理(古式養蜂)、近代的な可動式巣枠の活用(新式養蜂)、採蜜法をわかりやすく手ほどき。