内容情報
読売・吉野作造賞を受賞するなど高く評価されている『平成の経済』(小峰隆夫著)。ただ惜しむらくは金融危機について詳細に記述する紙幅の余裕はありませんでした。本書は、そのニーズに応えるもの。金融危機収拾の舵取りをした自民党きっての金融通の政治家が、金融危機の顛末を初めて語ります。著者の米国のパートナーであったガイトナー財務長官の『ガイトナ−回顧録』の日本版となるものです。
「禍根を残した日銀窓口指導廃止」「シナリオ通りだった大蔵省負担決定」「金融危機処理に何の口も出さなかった自民党」「存在感はそれほどなかった政策新人類」「金融監督庁誕生の攻防戦」など、いまだから明かせる秘話が満載の金融危機の本当の話です。
『平成金融史』(中公新書)『バブル経済事件の深層』(岩波新書)など経済ジャーナリストによる新書の近刊においても筆者はインタビューに応じておらず、破綻した長銀を譲渡するに当たってのプロセスなど本書はオリジナルの内容に富んでいます。