喀血診療指針/日本呼吸器内視鏡学会

出版社名:南江堂
著者名:日本呼吸器内視鏡学会
発行年月:2025年04月
キーワード:カッケツ シンリョウ シシン、ニホン コキュウキナイ シキョウ ガッカイ
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内容情報
これまでエビデンスや網羅的な議論に基づいて?般化・体系化されてこなかった喀?診療について,喀?患者診療の質向上を?的として,?本呼吸器内視鏡学会編集で診療科を跨いだエキスパートの意?をまとめて作成した指針.出?量や背景疾患に応じて取られる対応について症例も交えて解説する.喀?にかかわる医師だけではなく,メディカルスタッフにもおすすめの一冊.

【序文】
 日本呼吸器内視鏡学会を代表し,『喀血診療指針―実践版』 の発刊にあたり,ご挨拶申し上げます.
 これまで,喀血を対象としたガイドラインに類するまとまった指針は,国内外を問わず存在しませんでした.そのため,気管支鏡による処置やその他の呼吸器インターベンションの位置づけが定まらず,喀血への対処方法が統一されていない状況が続いていました.このような課題を解決するため,日本呼吸器内視鏡学会では,2020 年当時の理事長・大崎能伸先生の指示のもと,学術委員会に対し喀血ガイドラインの作成が命じられ,「喀血ガイドライン作成ワーキンググループ」 が結成されました.その後,川村雅文先生が理事長を務める時期を含めて約4 年にわたる活動を経て,2024年に『 喀血診療指針』 として『 気管支学』 に掲載されるに至りました.本書は,学術論文として掲載された内容をより実践的に活用できるよう,見やすいレイアウトへの改訂や症例・画像などの追加を行い,実践版として日常診療に役立つ構成となっています.
 本書の作成にあたり,日本IVR 学会をはじめ,日本呼吸器内視鏡学会員以外の先生方にもご協力いただき,学会の枠を超えた取り組みとなりました.委員の皆様におかれましては,喀血に関するエビデンスが十分に蓄積されていない領域であること,さらには喀血診療の体系化が世界的にも初の試みであったことから,非常に多くのご苦労があったと伺っております.特に,ワーキンググループの発足・活動時期は,新型コロナウイルス感染症( COVID?19) が猛威を振るっていた時期と重なりました.慣れないウェブミーティングの活用から始まり,座長・丹羽崇先生の指揮のもと,各委員の皆様の並々ならぬ努力により,本指針を完成させることができました.ご尽力いただきました作成委員の皆様に心より感謝申し上げます.また,ワーキンググループ活動中に歴任された品川尚文先生・臼田実男先生の両学術委員長には,本学会の学術活動として本書の取りまとめに尽力いただきましたことに深く感謝申し上げます.さらに,本指針の書籍化を提案し,発刊にご尽力いただいた南江堂の出版部の皆様にも厚く御礼申し上げます.
 日本呼吸器内視鏡学会が作成した診療指針を書籍として刊行するのは,本書が初めての試みとなります.本書が学会員のみならず,多くの診療現場において喀血診療の一助となることを心より期待しております.

2025 年3 月
日本呼吸器内視鏡学会 理事長
浅野 文祐