内容情報
飛鳥奈良時代から江戸時代まで医学の本流だった漢方鍼灸は、西洋医学だけを医学とした明治政府によって排斥され、現在にいたるまで医学としてではなく、あくまでも民間療法とされている。
著者は、西洋医学の医師として、中国における鍼灸による認知症治療の報告に注目し、天津中医薬大学第一医院院長の韓景献教授を招き講演を依頼。そこで認知症に対する「三焦鍼法」の有用性に感銘を受ける。それから12年を経て、三焦鍼法に患者自身の持つ治癒能力を高める効果があることが日本各地で確認されている。
本書は、中国側医師の協力を得て、中医学の奥義といえる「三焦の意義」を、日本語の書籍としてはじめて明確に定義し紹介する。また三焦鍼法を会得した鍼灸師による実践体験報告を多数収録した。
ローマ神話のクピドは恋の神として知られる。クピドの黄金の矢で射られると人は恋に目覚め、身も心も燃え上がる。著者が主催する鍼灸師認定資格「Gold-QPD ゴールドキューピッド」の名には、黄金の矢を鍼に置きかえ、さまざまな症状に悩む人々とその家族に健康と生きる喜びをもたらすという願いが込められている。